こんにちは、専門的な内容をかみ砕き「わかる解説」を目指す「どんポジ」です!
今回は前編、後編の2回に分けて解説します。
こちらは、前編です。
最近「コーピング(ストレスコーピング)」という言葉をよく耳にします。もともとは心理学用語で、ストレスを意識的に改善しようとする行動を指します。
近年では、学校や企業からもコーピングが注目され、メンター制度や精神面であるメンタルヘルスマネジメントの一環として心理カウンセリングやコーピングを取り入れているところも増えているようです。
もちろん、医療現場でも患者本人やその家族に対してのコーピングのマネジメントも広がっており、あらゆる分野でコーピングの取り組みが進んでいます。
ストレスは、いつの世も、何処にいても何をしても避けられないもので、自分なりにストレスの対処法を意識している方も多いかと思いますが、それに加え、専門的なエビデンスを基にしたコーピングを知ることは価値ありです。
心理学なんて聞くと、さぞ難しかろうと思ってしまいますが、内容や手法を知ることで意識的に行えることですので一緒にコーピングを考えてみませんか!思わぬ効果で楽になるかもしれません。
コーピングとは
コーピング(coping)とは、一言でいえば、ストレス対処法です。
語源は「対処する・処理する」という意味の「cope」です。アメリカの心理学者であるリチャード・S・ラザルス(Richard S. Lazarus)が提唱し、自分自身が意識的にストレスに対処して良い方向に転換させる行動を意味します。
私たちの環境では、プライベートでもパブリックな空間でもストレスを感じてしまいます。つらいストレスはもちろんですが些細なストレスでも積み重なることで、心の不安定なウエイトが徐々に大きくなっていきます。
ストレスは溜めてはいけないと誰もが理解していても、知らず知らずのうちにストレスフルになってしまいメンタルヘルスの不調や心身症につながってしまいます。
そして、ストレスは受け続ける期間が長ければ長いほど深刻な事態になってしまいますので、ストレスを感じ始めたら、なるべく早めに解消するための行動、コーピングが有効です。
また、問題を解決しようとするコーピングの行動を増やすことで、精神身体症状の改善に有効であると研究結果で報告されています。
ストレッサーとは
ストレッサーとは、医学的に「生体に影響を及ぼす外的刺激によって・・・の原因」と、何やら難しく説明されていますが、簡単にいえば「ストレスの原因」のことです。
では、私たちがストレスと感じてしまう原因には、いったいどんなものがあるのでしょうか?
大きく分けると次の4つに分類されます。
- 物理的ストレッサー
光、高温、低温、振動、騒音、放射線、ブルーライト・・・ - 化学的ストレッサー
公害物質、有害物質、香害、アルコール、排気ガス、薬害、大気汚染、タバコ、食品添加物・・・ - 生物学的ストレッサー
ウイルス、細菌、花粉・・・ - 心理・社会的ストレッサー
人間関係、不安、悲しみ、怒り、緊張、抑うつ・・・
経済問題、過密生活、政治問題、職場環境、学校環境、家庭環境、恋愛問題・・・
自分がストレスと感じてしまうものがストレスの原因ですので、ありとあらゆるものがストレッサーになり得るということになります。
この4つのうち、一般的にストレスとして取り上げられているのは、ほとんどが4番目の心理・社会的ストレッサーです。
もちろん、他の分野のストレッサーも多く存在しています。例えば、2番目の化学的ストレッサーでは、多くの方がイイ匂いと気楽に喜んで使っている柔軟剤や香料などの臭いによる原因です。
隣家の干してある洗濯物からの柔軟剤の臭いや、近くの人から臭ってくる臭いで、苦しんでいる小学生から大人まで、多くの方々が日々つらい生活をしています。つらい方は「毒ガスのようだ」と表現していたのが忘れられません。
コーピングの目的
私の全ての行動は「幸せ」になるのが目的です。笑!
「幸せ」と一口に言っても、人によって幸せの内容や感じ方が違うように、ストレスも人によって感じ方や影響が違います。
同じ内容でも、つらいストレスと感じる人とまったくストレスと感じない人がいます。個々のストレスに対して心身へのダメージが大きくならないように自分主導で解決に向かうのが目的です。
私の幸せは、車は高級車、ビルをいくつも所有して、権力を振りかざして・・・と、どこぞのお偉いさんみたいではなく、炊き立てのあったかいご飯と明太子を食べて、皆でうま~っと笑顔になってしまうことなのです。明太子が嫌いな方、スミマセン、笑!
だから、ちょっとしたことの達成感や、ちょっといい人に巡り合うと、とても幸せな気分になります。逆に、ちょっと嫌なことや不安が勃発すると胸がざわざわドカドカして、何とも言えない気持ちになっていました。
そして、そんな時の考え方や自分なりの対処法を書いた記事(下記のざわざわシリーズです。笑)の内容が実はコーピングだったんだと、今回の調査で知りました。
1.心がざわざわする 落ち着かない原因はホルモンが関与
2.「ざわざわ」の原因を探っていたら、考え方が変わって楽になった!
3.「ざわざわ」「ドカドカ」が、いつの間にか消えた具体例
コーピングの方法
コーピングを提唱した、リチャード・S・ラザルス(Richard S. Lazarus)は、8つのストレスコーピングの方法(対処型)を提案しています。
ストレスには必ず原因があるのですが、これを特定するのが意外と難しいのです。例えば、自分では原因はコレだ!と思っても、よくよく考えてみたら根本原因は睡眠不足だったなんてことも往々にしてあるのです。
コーピングは、この原因であるストレッサーを確定することから始まり、段階を経て徐々に解決に向けて行動していきます。
自分が感じるストレスですので、一番は自分の気持ちと行動が効果につながりますが、内容によって周囲の協力を必要とする対処法も含まれます。
また、コーピングを行う場合、1つの方法に固着せずに複数の対処法を同時、または併用するなどの柔軟性を持つことでより効果が期待できるとされています。後編では、詳しい対処法をお送りいたします。
まとめ
ジュータンの上に重い物を置いても、少しの時間ならジュータンは元のフサフサにすぐに戻りますが、長時間放置していると、重い物をどかしてもジュータンは凹んだままで、元に戻るのに時間がかかったり、手間がかかります。
同じように、ストレスも長時間受け続けると心が凹んでしまい身体にも影響が及びます。元に戻すのに時間も手間もかかってしまうのです。
コーピングの考え方がわかれば、バンバンやってくるストレッサーにも、こうして、こうやってとササっと慣れてきそうです。
ストレスを感じたら凹まないうちの早めのコーピングでササっと元通り!が、お得です!笑
後編は、ストレスコーピングのやり方を具体的にわかりやすく解説します。こちらです。
最後までお読みいただき、大変ありがとうございました。
どんな時もポジティブに!の「どんポジ」でした。
日本医師会ホームページ「健康の森」
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター
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心理学用語の学習 ストレス(コーピング)