こんにちは、専門的な内容をかみ砕き「わかる解説」を目指す「どんポジ」です!
「返報性」という言葉を聞いたことはありますか? 読み方は「へんぽうせい」です。タイトルにもある「返報性の原理(法則)」とは「人を無意識のうちに動かしてしまう原理」のことを指しています。
何か恐ろしい感じがしてしまいますが、これは人の「脳」と「心」と「行動」の関係を科学的に解き明かそうとする、れっきとした「心理学」の1つの理論なのです。
無意識のうちに「脳」や「心」そして「行動」にも影響させることができるのなら、それを相手に対して意識的に活用することで恋愛や仕事はもとより、これからの人生がとても豊かになり、そして大きな力になり得るわけです。「無意識の原理」を「意識的に活用」するということです。
今日は、私たちが無意識の中で影響させたり、影響されたりしている言葉や行動について、わかりやすく掘り下げてみます。『どんポジ』のポジといいます!
無意識に働く「返報性の原理」は恋愛やビジネスにも百人力!
この「返報性の原理」は、社会心理学者及びマーケティングの名誉教授でもあるロバート・ベノ・チャルディーニ(Robert Beno Cialdini、1945年4月27日生)著のベストセラー「影響力の武器」で提唱している原理の1つです。
この返報性の原理をご存じの方々は既に、親しくなりたい意中の人や様々なビジネスの現場で活用されています。後ほど実例をご紹介します。
返報性へんぽうせいの原理とは
「返報性の原理」はいくつかの種類があります。その内の1つは、簡単に表現すると「お返しをしたい」という心理作用です。
好意を示してくれた相手に対して、好意を返したくなるという原理です。アメリカの心理学者の実験論文でも実証されている「好意の返報性」という作用です。
気に入ったプレゼントをもらうと、自分も何かお返しにプレゼントをしたい、という感情が生まれます・・・よね!笑
「おはよう」と挨拶をされたら「おはよう」と挨拶したくなる、そんな経験、皆さんあります・・・よね!笑
しかし、この返報性を過剰に活用したり、お返しや見返りを求めたりすると相手に負担や不信感を与えて逆効果になるので、恋愛にもビジネスにも注意が必要なのです。
敵意にも返報性
そして、もう1つとても気をつけないといけないことがあります。この返報性の原理というのは良いことばかりのイメージですが、実は、敵意に関しても同じように「お返ししたくなる」心理が働くのです。
喧嘩して「拳のプレゼント(笑)」を貰うと、自分も「拳のお返しをたくなる」みたいな!チョッと古いかもしれませんが「お礼参り」(神仏じゃないほうです)「倍返し」なんて言葉もありましたよね!笑!
挨拶しない相手には、挨拶をしたくない!自分が敵意を見せたら、相手も敵意を見せてくれるのです。笑!これは「敵意の返報性」といわれています。コレは注意しないといけません・・・よね!笑
「譲歩」も「自己開示」も返報性
「返報性」まだまだあります!
相手に譲歩してもらうと、今度は自分が譲歩しなければという「譲歩の返報性」の心理や、相手が情報を打ち明けてくれたら、自分も情報を返したくなる「自己開示の返報性」もあるのです。
「ここだけの話ですが・・・」と、チョッとした秘密のひそひそ話や情報を聞くと、「実は私も・・・」と、秘密の話や情報をついつい話してしまう作用です。
恋愛や婚活中の方々も、返報性の心理作用を味方にしてください。好意を持って欲しい人には自分から好意を表すことで、自分に好意を持ってもらえるきっかけになるようです。きっかけです。笑
もちろん「敵意の返報性」ではなく「好意の返報性」の方ですが。笑
至る所に仕掛けられた返報性の実例
SNS
典型的な返報性は、SNSで自分に「いいね」をしてくれた人には、お返しにその人の投稿サイトに「いいね」を返すという行動です。「いいね」をしてくれたんだから自分も返さないと!という心理作用が働くのです。「いいね」が欲しければ、まず自分から素直な好意を表すことが返報性に重要なことのようです。
SNSに限っては、今ではその行為が礼儀として定着しているようですが。
試食
スーパーマーケットで休日になるとあちこちでイイ匂いがしてきます。そうなんです、この試食も無料で食べさせてくれるので、お返しに1つ買おう!という人の確立が高くなる返報性の原理です。
逆に、試食するとついつい断れなくて買ってしまうと自覚のある人は、初めから試食をしないようにする人も見受けられます。これは、例えば商品の「味を広めたい」というメーカーの戦略に反してしまうため、返報性の原理を和らげて気にせずに試食ができるようなアイディアを駆使している場合もあるようです。
初回無料
「初回の無料体験」もよく見たり聞いたりする言葉ですが、これも同じで無料体験の後に有料の予約を促されると「今回は無料だったからお返しに有料の予約をしないと。」と、する確率が上がるといわれています。
昔、営業マンが最初は高額な商品を勧め、相手に一度断らせておいてから今度は安い商品を勧めると売れるという話しを聞いたことがあります。初めから安い商品を売ろうとするよりも確率が上がるのだそうです。
一度断ってしまったので、次は買ってあげなければという心理が働くまさに返報性の原理なのですね。
親身になってくれた人
自分がとても困った時や、悩み事があった時に真剣に相談に乗ってくれた人には、何かあった時は今度は自分が助けたいという気持になります。
親切なスタッフ
私もこれはよく経験することです。今の時代、欲しい物があると、同じ物なら価格の安いネットで購入しようと考えてしまいますが、その前にまずは家電量販店などで現物を見たり商品の下調べを先に行うのです。
専門的なことを家電量販店のスタッフの方に聞いたり相談するのですが、とても親身に対応してもらったことで、気が付くとその場で購入してしまうことが多々あります。笑
自分が表現する場合
繰り返しになりますが、返報性の原理は、好意だけではなく敵意の返報性も隣り合わせにあることを忘れずに注意する必要があります。
これをプレゼントすれば、自分にも何かくれるだろう!は、逆効果です。見返りを考えたり独りよがりの強引さは、敵意の返報性にまっしぐらになってしまいます。
この好意の返報性には、基本が正直で爽やかな気持ちから生まれる行動こそが相手の気持ちに働きかけるのだと私は思っています。
私の実体験
我が家と同じマンションに何年も住んでいる50代くらいの奥様がいらっしゃって、すれ違ってもニコっともしなければもちろん挨拶もなしで目も合わせない方がいます。
自分の空間は特に爽やかに暮らしたいので、半分お遊びの不謹慎な考えかも知れませんが、私はこの奥様が笑顔で挨拶をしてくれるようにチャレンジしてみたのです。
チャレンジ内容はとても簡単なことで、会うたびに私が必ず「こんにちは!」とちょっと微笑んで挨拶をずっと続けただけなのです。
初めの頃は相変わらず無視されていたのですが、徐々に顔がほころんで笑みが見えてきて、今ではあちらの方から笑顔で挨拶してくれるようになったのです。
挨拶をして欲しいならまず自分から挨拶をしなければ何も変わらないということを、今更ながら実感しています。今思えば、これが返報性の原理だったのですね。
まとめ
くれぐれも、的外れな好意の押し付けにはご注意くださいませ。質の悪いセールスマンのように見返りを求めていることを見透かされていると、いくら言葉巧みに話をしても、そこに本当の気持が入っていないことがすぐにバレてしまい、恥ずかしい思いをする結果となり得ます。
何事も、気づかない本人が一番恥ずかしいです・・・よね!笑
チョッと履き違えると、敵意の返報性・・・気をつけようっと!
最後までお読みいただき、大変ありがとうございました。
どんな時もポジティブに!の「どんポジ」でした。