脳出血による感覚麻痺の影響で、右半身部分が「お湯の温度を感じない」ことに気づきました。一人の作業療法士さんのアドバイスによる、変わったリハビリを始めたところ効果が見られましたので、具体的なリハビリ内容と今回入院したリハビリテーション病院の入院費用の総額もお知らせします。
脳出血は、出血した部位や出血量などの状況により、人それぞれ後遺症の内容が変わってきます。私の場合は左被殻出血で、左の脳神経を損傷したので、反対側のざっと右側全部に麻痺と痺れがあります。
特に右足は感覚が少なくスリッパが脱げても気づかずにいます。右手はお箸が持てなかったり、落としたり、狙ったおかずに箸が行かないなどで苦労しているので、レポート用紙に右手で字を書きまくって『自主リハ』を続けています。(自分が見ても読めませんが!笑)
体も右半分だけ力が入らず、いつもビリビリ痺れています。と、まあ、こんな感じですが、このリハビリ専門の病院に入院したからには、タダでは帰りません。笑。と、言う気持ちで今を頑張ることしか考えてません。
脳出血の回復するタイムリミットは6カ月と考えられているので、『後でやろう!』は、この場合とっても意味が無いのです。発症から6カ月の間にやれることはやりたいのです。後の人生を楽したいので!笑
いつやるの?『今でしょ!』(また、言ってしまった!メチャ古いですね!すみません)『どんポジ』のポジといいます。
脳出血 リハビリ 右片麻痺|ちょっと変わってる病院に入院体験4の続きの、お風呂からです!
目の前で見られながら入る、お風呂
4月18日
今日は午前中の作業療法のリハビリ時間内にお風呂に入るスケジュールになっている。午前中にお風呂に入るなんて久しぶり~!って、浮かれてる場合じゃない!今日のお風呂は、私が一人でお風呂に入れるかどうかを作業療法士の、Iさんにチェックしてもらう日なのだ。
脳出血で緊急入院した病院でも、若~い看護師さんにず~っと見られて(監視です)お風呂のチェックしてもらって、気まずい思いを勝手にしていた私です。ここでもまた、若~い作業療法士さんだし!!きんちょう!ブ~ン!笑
脱衣所でチェック
まず、服を脱ぐところからチェックされます。脱衣所にIさんと二人、自然体を装って世間話をしながら服を脱ぎ始める・・・が、やっぱり気まずいなぁ!近いし!と思いながら服を脱ぎ終わる。スッポンポン。
Iさんが、じゃ気をつけて中に入って体を洗って下さい!と。
脱衣所からガラスのドア越しに中の様子を見ているということなので、少し離れるからちょっと安心。ゆ~っくりの動作で慌てないように気を付けて浴室に入って、何しろゆっくりと体をゴシゴシ。脱衣所で見ながら待ってるIさんには悪いけど、転ばないようにゆっくりゴシゴシ。
浴室でチェック
すっきりした所で、Iさんに、洗い終わったと声をかけると、な、な、な、なんと「ハ~イ!」と返事をしながら浴室のドアを開けて、中に入って・・・キター!
マジか~!
Iさん、大丈夫でしたか?と言いながら、今度は湯船に浸かって下さいねと言いながら私の隣に来てスタンバイ。ちけ~し!笑。
何をスタンバイかというと、私がひっくり返らないようになのだ!どうもです。もう恥ずかしいとか気まずいとかより、一人で入れるかどうかの方が心配になって来た。金鳥!イヤ、緊張!!
いざ、私は、至る所にある備え付けの手すりに両手でつかまりながら、ゆ~~~っくり左足から湯船に入る。右半身麻痺なので、まず特に左手でしっかりと手すりを握り、左足を湯船に入れて、左手と左足でガッチリ土台を作ってから、麻痺側の右足をそ~っと入れていく作戦だ。
ここでひっくり返ったら、失格~!だろうなと思いつつ、手すりにしっかりしっかり、つかまりながらゆっくりと、無事湯船に浸かった。
へっへっへ!成功!どや顔!笑
湯船に無事入ると、Iさんも安心した顔でしゃがんで世間話をしながら和んでる。自分が湯船に浸かってリラックスしてる横でしゃがんで話をしていると、なんか家族と一緒にいる感じがしてくる。不思議~!
お風呂合格!
その内、Iさんが、どうですか?不安はなかったですか?即答で、ハイ大丈夫です。じゃあ、大丈夫そうですねと、合格にしてくれた!やったね!!無事合格。いくつになっても合格と言われるとうれしい!笑。
そういえば、船舶免許の試験の時も、海図に航海計画を書いたり、計算したり、六分儀を使ったりで大変だったけど、合格と知った時は飛び上がるほどうれしかったのを思い出した。海、行きて~!横道スミマセン、笑!
その後は、またゆっくり湯船から脱出した。Iさんに着替えてて下さい、お風呂のお湯を抜きますから、と言われ、今度は脱衣所で一人でゆっくり着替えた。
お風呂は、作業療法士さんや理学療法士さん達が、お風呂の予約時間前に、お湯を張って用意ができると部屋まで来て教えてくれる。風呂の掃除もしてくれるらしい。みんな本当大変なお仕事です。感謝です。
カリウム値がおかしい!!!
4月19日
担当の先生がわざわざ部屋に来て、「先日、採血したカリウムの数値が低すぎたのですが、検査機械の故障かも知れないので、再度採血を明朝6時ごろにいいですか?」とのこと。もちろんです。まな板の鯉です。笑
他の採血の結果は、コレステロール値も全部異常なしとのこと。マジか!いや~よかった!甘いものも好物だし、肉はカルビ派、肉の油がうまいんだよ~と妻が避けている脂身をささっとゲット!こんな生活をしてたもんだから間違いなくひっかかると思ってた。あ~よかった!
でも、高血圧を心配し過ぎると何も出来ないし、ムリをすると、再発。まいったなぁ!
早朝採血
4月20日
朝早く、忘れずにちゃんと看護師さんが来て、血を採ってった。笑
今度は機械の故障がありませんように!体重61.9キロ、入院時62.9キロ、1キロ減ったし!身長は167位だったはずなのに、163とか164とかい言われて、ちょいショックなんですけど!ちょっとだけね。笑
具体的なリハビリ方法
入院してから毎日毎日、リハビリのスケジュールをこなす。前の日の夜に、次の日のスケジュールを渡される。1日の中で必ず、理学療法の時間と作業療法士の時間がある。
理学療法は、当初はひたすら歩いて、血圧測定。ひたすら歩く、血圧測定の繰返しで、歩行がメインのリハビリ。ただ歩くこと、これがとても効果が大きく感じた。筋力、バランス、柔軟性、足裏の感覚、呼吸、もろもろの効果を感じる。
このところ、脳出血などの麻痺などの後遺症はもちろん、精神的な疾患まで、色々な症状にウォーキングの効果が良いと定着してきた。私も自分の経験から、簡単にできて効果が大きいことに実感している。
でも、歩きすぎはブーです。人それぞれ状態が異なりますので、担当の先生に相談をしてから安心して行ってください。私の目標は、1日に5.000歩~8.000歩ぐらいかな!
理学療法のリハビリ内容
毎日必ず、リハビリ中の血圧と、どのくらいの運動量でどのくらいの血圧になるか?の、データを取っている。
それが分かってくると、自分がこれくらい運動すると血圧がこれくらいになると言うことが自覚できてくる。体が覚えてくればで、自分で無理をせずにコントロールができるようになり、再発防止にも大きく役立つ。
他には室内のトレーニングルーム(リハビリルーム?)のような広い所で、ジムにあるようなマシンを使って手や足の動きや筋力を付けるためのリハビリがある。麻痺の右足に筋力を付けるために負荷を付けたリハビリも行う。階段を使い負荷をかけ測定することも度々ある。
走行マシン(負荷歩行装置)もある。体にハーネス(ベルト)を装着して上から吊るし、足にかかる負担を調整しながら、歩くバランス、タイミングやリズム、床の角度を変えながらの負荷をつけたリハビリもある。
雨の日はこの室内でのリハビリだったが、私は晴れ男(笑)なので仕方なく室内でという日は殆どなかったなぁ・・・と思う。
作業療法のリハビリ内容
作業療法の時間は、細かいテストばかりをやらされて・・・いや、やって頂いている。笑
お米や小豆の中に違うものを無造作に入れて、それを目を閉じて手の感覚だけで探したり。もちろん麻痺のある方の右手。
小さい穴の中に棒を入れたり、テーブルの上で目を閉じて初めに触った物を、いくつかの物から探したりする。
小部屋で心理テストのような、創造力のテストのようなテストもあった、絵を見て間違えていることを指摘したり、一般常識のテストもある。計算問題も歴史も、何しろ色々。
「○○式」とかの検査もあるが、これでいったい何がわかるのか、とっても不思議な検査が多々あった。
他には、マットでのバランスボールを使用したリハビリ。バランスボールを椅子のように座り、片足をマットにつけながら、もう片方の足を伸ばし前に浮かせ指先から円を書くように動かし、逆回転でも同様に円を書く運動をバランスを保ちながら行う。
反対の足も同じように円運動を行う。麻痺があると、これが結構難しいんだなぁ!
温度の感覚麻痺を取り戻す、具体的なリハビリ方法
私が気になっている痺れについて、一人の作業療法士さんが痺れについてのメカニズムを簡単に教えてくれた。
脳出血でダメージを受けた麻痺の細胞は、元には戻らないが、その細胞の代わりを脳(体)が作っていく機能もあるのです。
もう少し詳しく解説すると、脳内に出血した血液が、脳の神経細胞を圧迫してその部分を死滅させてしまいます。死んでしまった神経細胞の回復は望めず、もう元には戻りません。
が、その死滅した部分の代わりを、新しい神経細胞を作って、死滅した部分を迂回して神経細胞を再度繋げようとする働きがあるのです。バイパスですね、スゴイですよね、人間って!
感覚麻痺の具体的なリハビリ
お風呂のお湯の温度がわからなかった感覚麻痺に効果があった具体的なリハビリ方法です。
私の場合は、右半身麻痺なので、やりやすい右手のリハビリ方法で説明します。お風呂に入ったり、手を洗ったりしても、温度が分からない右手に、「保冷剤」や「氷」を使います。(おススメは保冷剤です。以下:保冷剤。氷はすぐポタポタなので。)
方法は、
- 保冷剤を用意。(ケーキ屋さんなどでくれる、小さくて四角い保冷剤がイイです)
- 左手に保冷剤を持ち、右腕のエリアを細分化した1つのエリアを決めます。(手首から5㎝位とか)
- 保冷剤と腕の接点をなるべく針のような点にしたいので、保冷剤の角を数ミリ単位で腕に当ててエリア内をしらみつぶしに移動していきます。
コツは、保冷剤を腕の上で引きずっての移動ではなく、点のごとく、保冷剤を当てたら、1度保冷剤を腕から離してから、数ミリずらしてまた保冷剤を腕に当てるという動作の繰り返しです。腕を細分化して細かく「保冷剤」を当てていくのです。
- すると、冷たいという感覚が微かに分かるところが出てきます。
手首の方から肘の方に移動しながら保冷剤を点で当てて、冷感がある場所を意識していく。(もちろん逆でもOKです) - それを毎日繰り返すことで、冷感の刺激が脳に頻繁に伝達するのです。保冷剤ではなくて、暖かい刺激でもいいのですが、冷たい方が伝わる速度が速いので保冷剤の方がおススメです。
その動作の繰り返しで脳が刺激を受けて、麻痺側の右手の感覚を徐々に回復させることへの可能性が生まれるわけです。それを聞いたら力が湧いてきませんか!
実際、保冷剤を数個用意してもらい、部屋の冷蔵庫に入れて毎日、腕や足に当てていましたが、冷たく感じる場所が少しずつ増えている感じがしました。
リハビリは1日3時間
でも、リハビリは1日が3時間と決められているらしいので、正直リハビリも疲れるけど、1日の時間はまだまだある。
次のリハビリの時間までの空き時間とか、今日のリハビリが終わって夕食の時間までとか、空いた時間は自主トレ、自主リハでびっしり埋めます。
一日が終わって今日の夜、お風呂の前に血圧が160台!160がそんなに高い自覚はないけど男性看護師さん、湯船は我慢して下さい!と慎重になっていた!了解です。
今日も朝からリハビリ、リハビリ、リハビリ!
そうだった!ここは、リハビリ病院だった。笑
プラス、自主リハ、自主リハ!で、毎日、バテバテ!ひたすらリハビリ!1日が終わり、今日の風呂前の血圧が170なのでシャワー。風呂の後も170。まだ高いなぁ。
4月22日
朝食前 朝、170と、下が100 10時 158と92
この辺りから、血圧がすこし安定してきたかなって感じ。自主リハ時の血圧も130〜140。今日は、とても安定。午後のリハビリ時も130位で安定。ずっと安定。階段のリハビリ後も安定。
4月23日
朝食前134と95、食後123と93
4月24日
今日は、高血圧の「注意する食生活」を栄養士のOさんに聞くための面談。妻とね!
妻が色々詳しく聞いていた。アレがだめ、コレがだめ、と。
夕方に先生と面談
先生曰く、
運が良かったですね、脳出血の影響は今までの検査やテストで、脳に関してはまったく問題なし上級レベルです。と、褒められた~!!
運動もやったほうが良い。1番悪いのは家でダラダラ。ただ、ポジさんは無理をしすぎるので気を付けて下さい・・・と言われた。院内で自主リハを毎日毎日やっているのが耳に入ってるらしい。
やっぱりカリウムの数値がおかしい
4月26日
またカリウムが低すぎたらしいので朝6時30分に、看護師さんに採血(3回目)してもらう。痛くない。
今日は、156と103で、下が少し高い。毎日毎日血圧を気にしすぎだな!分かってはいるんですけどね。体の動きの状態も良くなってるので、退院の話しが出ていて、退院後の病院は昔から子供が世話になっている個人病院に決めて、紹介状はを書いてもらいことにした。
退院してから高血圧の薬をもらいに行かねば。高血圧だから一生だね!
また、カリウム値が低い!!
4月28日
アスパラカリウム錠300mg
朝1錠・昼1錠夕・1錠
1日、900mgを頂くことになりました。先生がまた部屋に来てくれる。「採血でまたカリウムが低いんだよなぁ~!原因がわからないんだよなぁ!」と。
カリウム値が2.4とか言ってたかなぁ・・・!今は、その数値がどのくらい高いのか低いのかもわからんちん!でも、退院後に違う病院で異常な数値だということがわかったのです!
なんと、「原発性アルドステロン症」っていう珍しい病気の症状の1つだったのです!
先生からは、カリウムを補充する薬(上の薬、アスパラカリウム錠300mg)も出しておくけど、カリウムが多い食べ物食べて、との事。趣味とかやりたい事を、たくさんやって下さいとアドバイスを受ける。
体調はどうですか?ハイ、元気です。仕事できそう?ハイ、たぶん大丈夫です。で、すぐまた無理して仕事しちゃダメだよ。仕事は程々にした方がいいよ。ハイ。ですよね!
5月2日
いよいよ、本日退院。皆さん、お世話になりました。ありがとうございました。
入院時の、右足のボワ~っとした痺れが弱くなった感じ・・・だ。
入院費用
リハビリテーション病院入院日数 16日間
請求金額
合計 753,830円
限度額適用認定証という健康保険の制度があるので、実際の負担額がグッとお得になります。体験記7に詳しく説明していますが、収入によって自己負担額が変わるのです。例えば500万円の年収で自己負担額は、80,100円+αだけになります。
各健康保険の窓口で、親切に教えてくれます。私は自営業で国保なので、役所の国民健康保険課でした。申請も簡単にあっという間に書類を頂きました。
まとめ
自分が進んでリハビリを行わないと成果は出ない。
理学療法士さんや作業療法士さんたちは、あくまでもフォローする立場だ。
自分の身体だからなぁ!!
私の場合は、車イスだったのが歩いて帰れたのだから!それなりの成果があったわけだ。点数にすると、80点というところかな!
痺れに関してのリハビリはというと、結論からいうとほとんど改善は見られなかった。むしろ、痺れの状態が変化してきて、度合いが悪くなって来たりした。
痺れに関しては、すぐに改善できるという性質のものではないようで、リハビリ病院の先生は痺れに関しては、年単位で見ていきましょうという考えだった。時間がかかるのだろう!!
現に今でも、痺れのビリビリ感が継続している状態で、このまま痺れが一生続いていくような不安な気持ちが多くなって来ている。
痺れに関する点数は、0点だ!いや、マイナス点?でも痺れじゃないけど温度は少しわかるようになったから、30点!・・・まぁ、そんな感じです。
この痺れに関して改善できた場合は、内容や方法を新たな記事で必ずお知らせします。
まだまだ頑張るぞ~!
人間の身体って、未知の力を持っていると思う。自分の体が自分で悪いところを治したり、切れた神経を繋いだり、奇跡を起こしたり、何があるかわからないので楽しい!
頑張っていれば、イイことあるよ~!・・・・・必ず。
アルドステロン+レニン+カリウム+CTに影=大学病院に検査依頼6