私たちの体にある脂肪の約9割が中性脂肪であり、その割合でも分かるように、体の中で一番多い脂肪が中性脂肪です。
皮下脂肪や内臓脂肪、血中脂肪も中性脂肪だということや、中性脂肪の知らなかった働きなど、前回の記事「中性脂肪とは?【知らなかった、こんなにスゴイ3つの働き】」で解説したように、体にとっては、とても大切で無くてはならない脂肪だということがわかりました。
しかし、この大切な中性脂肪も増え過ぎると、とてもヤバイことが起きてしまいます。
今日は、中性脂肪が高いと何がヤバイのか?高くなる原因は何なのか?を、わかりやすく解説します。『どんポジ』のポジといいます!
中性脂肪 高い、何がヤバイの?何が原因なの?
血液検査で中性脂肪の基準値は、空腹時30~149mg/dlです。検査前に食事を摂ると数値に影響が出てしまうので、12時間程度の絶食で正確な数値を知ることができます。
食後12時間以上経っても、血液中に中性脂肪が150mg/dl以上になっていた場合、高中性脂肪血症(高トリグリセリド血症)と診断され、メタボリックシンドロームの診断基準になります。日本動脈硬化学会でも、中性脂肪値が150mg/dl以上で脂質脂肪症の診断基準のひとつとされています。
ホルモンや生活習慣などの影響で、一般的に女性よりも男性のほうが、数値が高くなる傾向があります。数値が高くなると、メタボって言われちゃいます。もうこれだけでも、ヤバイですよね!笑
では、他に何がヤバイのかを、解説していきます。
善玉コレステロールが減少するから、ヤバイ
血液中に中性脂肪が増えると、善玉といわれている、HDLコレステロールが減少します。この善玉のHDLコレステロールが減少すると、またまた、ヤバイです。だって、善玉ってイイ奴なので・・・!笑
悪玉コレステロールが増えるから、ヤバイ
善玉であるHDLコレステロールが減ると、なぜヤバイかといいますと、イイ奴が減ると、悪玉といわれるLDLコレステロールが増えてしまうからです。LDLコレステロールが増えるとなぜヤバイのでしょうか!だって、ワルイ奴なんで・・・!笑
簡単にいうと、血液中に悪玉(LDL)コレステロールが置いて行ってしまった病気の元になる余分なコレステロールを、回収して血管をキレイにしてくれるのが、善玉(HDL)コレステロールなのです。
病気の元になるものを、キレイに掃除をしてくれる良いコレステロールが減って、置きっぱにする悪いコレステロールが増えちゃうのです。それが続くと、血液がドロドロになったり、血管が硬くなったりします。ヤバイでしょ?!
でも本当は、コレステロールは体の味方だったのです。悪いコレステロールなんて居なかったのです。こちらです!スゴイです。
動脈硬化が進行するから、ヤバイ
ヤバイついでに、もう少し言いますと、悪玉LDLコレステロールが増えると動脈硬化が進行します。動脈硬化が進行すると血管が詰まりやすくなってきて、血管に無理な力が加わり、弱い場所の血管が破れてしまうのです。ヤバイヤバイ!
中性脂肪値が高くなると、見た目も中身も色々と困ったことが連鎖してきます。ならば、中性脂肪値が高くならないようにしたいのですが、高くなる原因は何なのでしょうか?
中性脂肪が高くなる原因
1.食事から美味しいものを食べるとエネルギー源になります。そして、体はその食事から摂ったエネルギーを使って動いたりスポーツをしたりして、食べたエネルギーを消費します。まだ、全く何も問題ない状態です。
2.たくさん食べると、エネルギーもたくさん摂れますが、あまり動かないで消費せずにいると、使われないで余ったエネルギーは、肝臓で脂肪に替えて貯蓄されます。ちょっとだけ怪しい状態になって来ました。
3.食べて、消費して、ほどよく貯蓄されて、のバランスが良い時は何も問題は起こりませんが、消費よりも貯蓄が多くなり過ぎると血中の脂肪が増えていき結果、中性脂肪値が高くなってしまうのです。ヤバくなっちゃった状態です。
わかりやすくいうと、食べ過ぎで運動不足です。笑
たくさん食べているのにその分を消費していないということで、過食(食べ過ぎ)で運動不足、消費する代謝が落ちているということになります。その状態が続いていくと色々な病気が待ってましたと、近づいてくるかもしれません。その病気って、どんな病気なのでしょうか?ヤバイ~!
中性脂肪が原因でなりやすい病気
どんな病気が待ってるのか、中性脂肪が原因でなりやすい病気の一部を挙げてみました。
脂肪肝
余った中性脂肪が肝臓に多く溜まる病気です。余った中性脂肪は皮下脂肪や内臓脂肪、血中脂肪だけではなく、肝臓にも溜まっていきバランスを崩します。
脂肪肝は、アルコールや肥満、生活習慣病が原因といわれていますが、脂肪肝の一番多い原因は、食べ過ぎです。放置すると肝硬変や肝がんに進行し、動脈硬化も進行しやすくなります。脂肪肝に特効薬はないともいわれています。
脳卒中
動脈硬化などが進行すると、脳の血管がつまったり、脳の中で出血したりします。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの総称が、脳卒中です。
私は、脳出血の中で一番出血が多い部位である被殻(ひかく=赤丸の部分)という場所で出血しました。
被殻は脳の両サイドにあり、左側の出血だったので「左被殻出血」という脳出血です。神経が途中でクロスしているので、麻痺は反対側の右半身に出ます。画像は、私が仰向けで寝ている足元から見ているので、左右が逆に感じます。
狭心症・心筋梗塞
心臓に血液を供給するための血管である冠動脈に動脈硬化が進むと、狭心症がヤバイです。血栓が冠動脈の血流を突然ストップさせるのが、心筋梗塞です。怖!
皆さんご存知のように、心臓には血液がたっぷりあるのですが、心臓が動くために必要な栄養や酸素は全く違う血液である冠動脈が送っています。
心筋梗塞の患者さんの場合、コレステロール値よりも、中性脂肪値の方が高い数値の患者さんが多いということです。中性脂肪も、怖!
糖尿病
中性脂肪の原料でもある糖分がたくさん貯蓄されて、血液中の血糖値が慢性的に高い状態が続く病気です。悪くなると、人工透析が欠かせなくなったり、失明の危険性もあります。
血液透析にかかる時間は、体格や食事の量や内容など個人差はありますが、一般的には1回に4~5時間ほどかかり、週3回行うといわれています。
腎不全
腎臓の働きが低下し、悪くなると人工透析です。
私は、脳出血後に見つかった原発性アルドステロン症の治療で副腎を1つ摘出後に、腎機能が少し低下したのでコレステロールを下げることになりました。
大動脈瘤
心臓から出る一番太い血管で、圧力も高く、動脈硬化で弱くなった所に瘤(こぶ)ができ、血管の壁が薄くなって膨らんでくるのが、動脈瘤です。症状はほとんどありませんが、突然破裂すると激痛と共に突然死もあります。超怖い!
こんな恐ろしい病気にはなりたくないです。(脳出血はやっちゃったけどね!笑)中性脂肪値が高いのは恐ろしいです・・・が、中性脂肪値が低くても実は恐ろしいのです。
参考文献
・厚生労働省 e-ヘルスネット
・平成27年 厚生労働省国民健康・栄養調査 PDF
・日本動脈硬化学会「動脈硬化症疾患予防ガイドライン」
・日本人間ドック学会
実は、私は原発性アルドステロン症という病気が原因の高血圧で、血管が破れて撃沈してしまいました。脳出血です。ねっ、ヤバイでしょ!
血管が破れる原因は多々ありますが、行きつくところは怖い所です。プチっ!笑
私もいきなりだったので、その日から人生変わりました。って、暗い話じゃないんです。ハードな仕事だったので、そうでもしないと仕事を止められないからと神様がキット・・・!笑。今では、止められてよかったと心から感じています。